第105回全国高校野球選手権は23日、午後2時から甲子園で決勝を迎えた。107年ぶりの優勝を狙う慶応高校の地元、横浜市の日吉では、試合前から健闘を期待する声が上がり、熱気に包まれていた。
慶応の最寄り駅、東急東横線日吉駅(横浜市港北区)近くの日吉中央通りには「目指せ全国制覇!」と書かれた横断幕が掲げられていた。街中には至る所に甲子園出場を祝した垂れ幕があった。
野球部員行きつけのレストラン「洋食とらひげ」では店主の和田花美さん(60)らが「頑張って欲しい」と試合開始を今か今かと待ちわびていた。ナインらはテスト期間などに訪れることがあるといい、チーフの男性は「行儀がよくていい子たち」と表情を緩ませた。従業員の甲斐尚徳さん(37)はこれまでの活躍に「歴史的快挙ですね。心が震えています。一人一人に握手したい」と笑顔。とらひげでは、決勝戦後に特別メニューや割引のセールを予定しているという。
部員に人気のメニュー「豚スタミナ焼き」(税込み1050円)を記者も食べてみた。豚スタミナ焼きは、豚肉をにんにくの利いたしょうゆベースの特製ダレで、にらやシメジを一緒に炒めたもの。食べる前から甘辛いタレの香りが食欲をそそった。具材とタレを合わせて、口に運ぶとやみつきになるコク深な味わいが広がった。キムチやモヤシのナムル、サラダが添えられており、ボリューム満点だったが、ぺろりと食べてしまった。ごはんは1回までおかわり無料で、部員は特盛りにしておかわりをしていたと聞いたが、記者は最近出てきたおなかを気にして1杯で止めておいた。
とらひげ近くの生花店「二宮花園」の代表取締役二宮陸次さんは決勝戦を前に「うれしいね、楽しみでしょうがない」と喜んだ。慶応のタオルやうちわを店に飾って応援。ラジオで試合の実況を聞くといい「ラジオ9割、仕事1割だね」と笑った。慶応が優勝した場合は、セールを検討しているという。
創業92年の薬局「日吉堂薬局」では店頭にタブレットを設置し“疑似”パブリックビューイングを予定している。店主の相沢淳さんは「通りかかった人が少しでも見られればいいかなと思った」と話した。店ではこの日、来店した客に「頑張れ慶応高校!」とのラベルを貼ったお茶を配布している。お茶は250本用意した。相沢さんは選手たちに「楽しんでニコニコしながらやってもらえればいいと思う」と話した。
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