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「イスラム教徒はフランス人殺す権利」 斬首テロめぐるマハティール発言に「テロと宗教は無関係」とインドネシア大統領 - Newsweekjapan

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<ムハンマドの風刺画は表現の自由というフランス大統領の発言は東南アジアにも大きな波紋を起こしている>

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は10月31日、フランスで発生したイスラム教預言者ムハンマドの風刺画を巡る殺人事件とそれに伴うマクロン仏大統領の発言に関して声明を発表し「テロと宗教は無関係である」としてインドネシア国民に冷静な対応を呼びかけた。

10月16日にパリ近郊でフランス人中学校教師(47)がイスラム教過激派とされるチェチェン系ロシア人(18)に首を切られて殺害された。この教師が授業中にムハンマドの風刺画を生徒に見せたことが事件の原因とされており、容疑者は事件直後駆けつけた警察に射殺された。

事件後、マクロン大統領は21日に行われたこの教師の国葬で「あなたが教えた自由をフランスは守っていく」「あなたのような静かな英雄をイスラム過激主義者はもたない」などと発言して「殺害というテロ行為」を批判。

同時に「風刺画を含めた表現の自由を今後も堅持する」姿勢を強調。殺害された教師にフランス最高の勲章とされる「レジオン・ドヌール」まで授与した。

このマクロン大統領の発言が「ムハンマドの風刺画」や「風刺画を授業で生徒に見せた行為」そのものよりイスラム教徒の怒りを招いた。

その結果、「マクロン発言はイスラム教への嫌悪を助長する」「イスラムへの恐怖心を煽る」「イスラム教を誤解したものだ」として中東諸国やトルコ、バングラデシュ、パキスタンなどのイスラム教国やイスラム教徒から抗議と非難を一斉に浴び、フランス製品の不買運動、外交関係の凍結などを求める事態になっているのだ。

人口約2億7000万人の約88%と世界最大のイスラム教徒人口を擁するインドネシアは、イスラム教団体がフランス製品のボイコットを呼びかけ、外務省が在インドネシア仏大使を呼んで事情を聴くなどしているが、これまでのところ過激な抗議活動や大規模な反仏デモなどは起きていない。

イスラム団体がテロと大統領発言を批判

インドネシアの「イスラム聖職者(ウラマ)評議会(MUI)」は29日に発表した声明の中で、ムハンマドの風刺画とイスラムを誤解させるマクロン大統領の発言を厳しく非難した。

しかし同時に中学校教師殺害を「テロ行為」であるとして批判した。そのうえでインドネシアのイスラム教徒にバングラデシュなどで激しさを増している反仏、反マクロンの抗議集会やデモなど過激な行動にでることなく「イスラム教徒らしく冷静に対応すること」を求めた。

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