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ボッシュ、2019年度業績報告。売上高777億ユーロ(前年同水準)、営業利益33億ユーロ(前年比40%減) - Car Watch

地球温暖化の対策

 さらにメーダー氏は「私たちには他にも、食い止めなければいけない地球規模での課題と対峙しています。その1つが“気候変動”です。世界気象機関によると、地球温暖化は依然として進行しており、大気中の二酸化炭素濃度や海水面の温度、水位のいずれも上がり続けているといいます。地球環境を健全に保つことができなければ、長期的にビジネスを成功させることはできません。地球温暖化を食い止めるためにも、企業が率先して温室効果ガス排出量の削減に取り組まなければならないのです」とコメント。

2019年に打ち出した目標
目標に向け4つの大きな柱となる施策

 その取り組みの1つとして、ボッシュは2019年の年次記者会見で「2020年に全世界の400超の拠点において、カーボンニュートラルを達成する」と宣言していて、ドイツでは2019年に全拠点においてカーボンニュートラルを達成、そして2020年に全世界でカーボンニュートラルを達成すると改めて宣言した。そのカーボンニュートラルの達成に向け、ボッシュでは4つの施策があるという。1つ目は「エネルギー効率の改善」、2つ目は「再生可能エネルギーの拡大」、3つ目は「グリーン電力調達の拡大」、4つ目が信頼性の高い認証基準を通じて、残りの「CO2排出量をオフセット」する方法。

 そして2030年までに、前者の2つの方法により、カーボンニュートラルの質を向上させ、後者の2つの方法は近い将来に効果的な措置をとり、カーボンオフセットの割合を2020年には当初の計画よりも大幅に低下し、50%から25%にまで引き下げられると予測しているという。

AI(人工知能)への投資

 ボッシュは2020年1月にAIの倫理指針を発表。AIは安全、ロバスト(頑強性)、かつ説明可能で、人間が常にコントロールすべきものであると考え、2025年までにボッシュの全製品にAIを搭載、または開発もしくは製造段階でAIを活用することを目指すという。日本においても、現在はAIに関する独自研究に加え、国内の大学や研究所との共同研究関係の構築や企業との連携を進めていて、グローバルでAIに精通した従業員を今後2年間で2万人に拡大。これは現在の20倍に値していて、グローバルで展開する研修プログラムは、日本でも2020年後半より実施を予定している。

今後もAI(人工知能)への投資を推進するという

2019年度の業績報告

 ここで副社長のリーステラー氏にバトンタッチして、2019年度の業績報告が行なわれた。

取締役副社長のアレクサンドレ・リーステラー氏

 ボッシュ・グループのグローバル業績は、自動車市場の低迷に反して、売上高は前年と同水準を維持し777億ユーロ(前年は779億)。支払金利前税引前の営業利益は前年比40%減の33億ユーロ。また、売上高の約8%に相当する61億ユーロを、ボッシュの目指す未来のモビリティPACE(パーソナライズ化、自動化、ネットワーク化、電動化)における技術革新や、IoTやAIのような将来の成長分野を含む研究開発費として投じている。

ボッシュ・グループ(ワールドワイド)の2019年業績。また、2019年12月31日時点で、従業員は世界中に約40万人、そのうち約7.3万人が研究開発に従事、3万人がソフトウェア技術者

 また、日本国内における2019年度の売上高はグローバルの自動車市場が縮小し、厳しい環境であったが、前年比1%増の3300億円(約27億ユーロ)となった。これはアジアパシフィック地域は、ボッシュ・グループにおいて約30%の売上となり、重要な役割を担っているという。

 ボッシュは、4セクター制でビジネスを展開していて、グローバルではモビリティ ソリューションズ事業が売上高ベースで60%を占めるが、日本においては90%を占める。さらに2019年の売上高は、主にESC(横滑り防止装置)や先進安全運転支援分野を含むセーフティシステム向け製品、インフォテインメント製品が売上に貢献し前年比で1.5%増加。また、ボッシュの全世界における日系自動車メーカー(二輪車メーカー、農建機メーカー、ティアサプライヤーを含む)への売上は、2013年からこれまで前年比、年平均2桁の割合で増加していて、2019年の前年比増加率も10.2%と2桁成長を遂げ、堅調を維持している。

全世界における日系自動車メーカーへの売上の推移

 これは日系自動車メーカーの世界生産台数が前年比でやや減少したことを踏まえると、日系自動車メーカーに対するボッシュの売上が拡大したことを意味し、世界で生産される自動車の30%を占める日系自動車メーカーが、より魅力的な自動車を開発するために必要となる部品やソリューションを提供することをボッシュでは使命としている。

 とはいえ、ボッシュでも2020年度は厳しい1年になると予想し、状況が未だ流動的であることから、現時点での2020年度の業績見通しの公表は見合わせた。

日本のボッシュ・グループ2020年の見通しは、合理的な算定が困難として見合わせた

2020年以降の事業ハイライト

ボッシュではPACE(パーソナライズ化、自動化、電動化、ネットワーク化)を通じてサステイナブルで魅力的なモビリティを追及している

 2020年の日本国内における事業のハイライトについては、再びメーダー社長の口から直接行なわれた。特に日本での主力事業であるモビリティ ソリューションズ事業では、安全、サステイナブルで魅力的なモビリティを、PACE(パーソナライズ化、自動化、電動化、ネットワーク化)を通じて追及。ここで「自動化」「電動化」「ネットワーク化」の一部が紹介された。

「電動化」で地球環境の改善に貢献

 現在世界中で13億台以上の自動車が走行していて、地球の気候変動や都市の大気環境に配慮したサステイナブルなモビリティを提供するには、排出量の削減に注力する必要がある。ボッシュでは、2030年に新車登録される車両の3台のうち2台は、依然としてディーゼル車またはガソリン車のままだろうと予測。そこでボッシュでは、高効率の内燃機関からeモビリティ、燃料電池にいたるまでの色々なパワートレーンを、手ごろな価格で提供することを念頭に置いた開発を進めている。

2030年にはまだディーゼル車やガソリン車が大多数と予測

 ボッシュでは世界中で50超の顧客向けeモビリティ向けプロジェクトを実現し、各国のニーズに合ったソリューションを提供していて、日系自動車メーカー各社でも積極的に電動化が進められるが、ボッシュの48Vマイルドハイブリッド向けコンポーネントも日系自動車メーカー向けに量産を開始。2020年春に欧州で販売が開始されたモデルに搭載された。また、近年は自動車市場に電気自動車を活用した新たなモビリティサービスの提供に取り組む、新規プレイヤーが参入。それにともない、さまざまなコンポーネントやシステムを組み込んだソリューション提供に対する需要が高まりを見せていることからボッシュでは、従来の自動車部品やサブシステムのサプライヤーとしての役割に加え、MSP(モビリティサービスプロバイダー)なども対象に含めたモビリティビジネス全般でのリーディングカンパニーを目指すとしている。

毎年4億ユーロを電気自動車プロジェクトに投資
誰でも手軽にベースとして使えるローリングシャシーを開発中
ローリングシャシーはすでに実装できるレベルまで仕上がっている

 電動化における1つのソリューションとして、ボッシュは2019年に「ローリングシャシー」の提案を開始。ローリングシャシーは、ボッシュの電動パワートレーン、電動ブレーキシステムや電動ステアリングなどを搭載した電気自動車向けのプラットフォームで、ベントレーと共同開発している。

 また、ボッシュとベントレーは、ピニンファリーナとも戦略的提携を締結。3社の提携により、電気自動車のプロトタイプの構築から生産開始までに至るまで、開発工程すべてを網羅することが可能になる。電気自動車メーカーは、さまざまなバリエーションや設計をプロトタイプに迅速に実装することができ、時間と費用の削減につながるとしている。

今後の燃料電池市場の拡大を見込んでいる

 燃料電池パワートレーンの開発も積極的に推進しているボッシュは、2030年には新規登録されるトラックの8台のうち1台が燃料電池を搭載すると見込み、同市場のマーケットリーダーのポジションを目指している。すでにパートナーであるパワーセルと燃料電池のスタックの開発を進めており、2022年の市場投入を予定。燃料電池のスタックに加え、燃料電池システムの開発を米国の二コラと進めていて、まずは商用車向けに燃料電池システムの量産開始を予定している。また、日本のアプリケーションおよび市場向けに、スタック以外のコンポーネント開発も進めていて、電動エアコンプレッサー、水素インジェクター、再循環ブロワ、コントロールユニットなどを、燃料電池コンポーネントの製品ポートフォリオとして有している。

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June 09, 2020 at 07:10AM
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