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『ZESP3』で売れなくなった? 日産リーフの販売台数推移を確認してみた - EVsmartブログ

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【速報】日産リーフ『旅ホーダイ』終了〜「ZESP3」への改定を正式にアナウンス(2019年12月3日)

落ち込みは想像したほどじゃない?

『ZESP3』への変更で、本当に日産リーフは売れなくなったのか。まず、現行「ZE1」登場の約半年前、2017年4月以降の月別販売台数推移をグラフにしてみました。

一般社団法人日本自動車販売協会連合会発表のデータと『Mute』さんがまとめてくださっているデータから作成。

フルモデルチェンジ前の低迷は目立つけど……

まず、2017年9月以前、フルモデルチェンジ前に販売台数が低迷した傾向は明らかです。とはいえ、月間販売台数が1000台を超えれば、日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表している毎月の「乗用車ブランド通称名別順位」の30〜40位台には食い込むレベルなので、モデル末期のキワモノ電気自動車としては健闘している、という見方もできます。

2020年2月に『e+』発売以降過去最高を記録

気になる『ZESP3』への改定以降を確認してみましょう。ちなみに、2019年の平均月間販売台数は約1650台でした。対して、2019年12月は1157台、2020年1月が753台とかなり落ち込んでいます。

ところが、2020年2月には2981台と、2019年1月の『e+』発売以降過去最高の販売台数を記録しています。続く2020年3月は1330台と「やや低め安定」の販売台数になったと推察できそうな数値です。

月額2000円で「旅ホーダイ」が魅力だった『ZESP2』への加入は、ほぼ12月いっぱいの契約猶予期間があったと聞いているので、2020年1〜3月の平均販売台数を計算してみると約1690台。『ZESP3』発表と前後して、液晶パネルの大画面化やプロパイロットの機能向上というマイナーチェンジもあったからか、2019年通年の平均である1650台と比べてもむしろ販売台数は向上しているのが実情でした。

あくまでも数値データの検証だけなので、販売現場の方にはいろんな手応えや事情があるのでしょうが、データが語っているのも事実です。

あまり売れないのは、他の理由が?

とはいえ、日産リーフは今の日本で買える数少ない国産電気自動車のひとつ。というか、もう一車種の三菱『i-MiEV』は、こういっては語弊があるけど「寝たきりモデル末期状態」ともいえるので、ほとんど唯一の新車で買える国産EV乗用車の選択肢となっています。

EV普及に肩入れしてる気持ちとしては、もっともっと売れてて欲しいのが実感です。

一方で、モデル3が世界でヒット、モデルYも市場に投入したテスラは、2019年第4四半期に約10万5000台を生産、さらに2020年第1四半期には約10万3000台生産し、好調な販売を記録しています。

モデル3はテスラ車のなかでは「大衆向け」とされていますが、ベーシックなモデルでも日本では500万円以上の価格です。にもかかわらず世界中で「売れている」のは、モデル3、そしてテスラが提言する「新しさ」や、今までのエンジン車の常識を凌駕するさまざまな「性能」、またスーパーチャージャーという独自の充電インフラネットワークを整備したり、太陽光発電パネルや蓄電池にも事業を展開するといったエネルギーや社会課題に対する「メーカーの姿勢」が魅力になっているからではないかと思われます。

今、日産リーフが「あまり売れていない」とするなら、それは『ZESP3』という充電課金システムが要因ではなく、自動車として、電気自動車としての「新しさ」や「性能」、また日産自動車というメーカーの魅力に課題があると理解するべきなのでしょう。

電気自動車が抱える最大の課題は航続距離、すなわち搭載する動力用電池の容量であると言われ続けていますが、62kWhという大容量電池を搭載した今のリーフがあまり売れないのであれば、電池容量や航続距離は必ずしも電気自動車の商品力には直結しないということもできます。

個人的な感想ですが、実際に私の場合、電池容量30kWhの中古リーフで不便さは感じていません。次に買い替えるEVも、『ホンダe』の35.5kWhとか、300万円台で買えるおおむね50kWh程度の車種があるといいな、と思う程度です。ただし、私自身がリーフ最大の弱点だと感じている「電池の温度管理システム」は必須かな、と。

【2010/12/03 中継録画】Nissan LEAF発表記者会見 Part2(YouTube)
歳月を感じる画質ですけど……。

充電に課金されるのは当然のことじゃない?

これまた個人的な意見ですが、「旅ホーダイ」をアピールする『ZESP2』の仕組みにはもともと懐疑的でした。急速充電は電気自動車にとってエンジン車の「給油」のようなもの。電気自動車普及のためには、ことに長距離移動の際、経路充電に必要な電気代は基本的にはユーザーが負担するべきだと考えるからです。

とはいえ、CHAdeMO認証QCでビジター充電する際の目安となっている「50円@1分」という料金はいかがなものかと思います。たとえば20〜30kW出力器を使って30分で10kWhほど充電できたと仮定して、1分間の充電量はおおむね「0.3〜0.4kWh」です。設置者の電力契約によりますが、高圧受電契約の1kWh単価は10〜20円程度でしょうから、「0.3kWhに50円」はいかにも高すぎます。

設置する立場からすると、初期コストや維持費、デマンド料金などを考慮すると「それでも利益は出ない」というのが本音ではあるでしょう。まさに、そうした設置や維持管理のコストこそ、自動車メーカーや公的負担、そして電気自動車ユーザーが合理的に分担してカバーすべき領域であり、だからこそ充電に必要な「電気料金」は利用したユーザーが適切に負担する仕組みが必要というのが、私の考え方です。

CHAdeMO規格の急速充電器設置と課金システムを進めてきたNCSが『e-Mobility Power』に業務継承を進めるなど、今、日本の電気自動車充電インフラの仕組みはまだ過渡期にあります。今後、より多くの電気自動車ユーザーと、設置事業者が納得して推進できる課金制度が整っていくことに期待しています。そして、そのためにも電気自動車を市販する自動車メーカーの役割や責任が重要になるのだと思っています。

ひとつ白状しておくと、私が中古リーフを購入したのは2018年12月。当時、実施されていたキャンペーンで、「ZESP2の月額会費2000円が実質4年間無料」の恩恵を活用しています。普段は自宅ガレージでの普通充電がほとんどですが、遠出するときには、日産の太っ腹に感謝しながら急速充電させていただいています。

日産リーフ/2010年発売以来の月間販売台数推移

最後に、2010年12月、初代日産リーフが発売されて以来の、月間販売台数推移を一覧表にしておきます。表作成については公表されている自販連のデータを積み重ねていこうとしたのですが、2015年以前のデータや、リーフの販売台数が落ち込んで車名別ランキング50位から外れてしまう月などの公的データを見つけるのが一苦労。いろいろと検索した挙げ句、『Mute』さんというリーフユーザーのブロガーさんがまとめたデータ(ウェブサイトにリンク)があったので、参照させていただきました。Muteさんとも連絡が取れて確認したところ、このデータも自販連の毎月の公表データを積み重ねたものとのことでした。

2020年3月までの通算で、月間販売台数の平均は約1250台となっています。

(文/寄本 好則)

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