帝国データバンクが、アパレルの上場企業(または上場グループ中核企業)23社を対象に、2020年3月の月次売上高動向調査結果を発表した。西松屋チェーンとワークマンを除く21社が、前年同月の売上高を下回った。
3月は新型コロナウイルスの感染拡大により、多くのアパレル企業が営業時間の短縮や臨時休業を余儀なくされ、売上が大きく落ち込んだ。特に影響が大きかった企業として、TSIホールディングスが前年同期から43.4%減、ワールドが同41.9%減、青山商事が同41.2%減、ユナイテッドアローズが同40.2%減と軒並み4割以上の減少が見られたという(いずれも既存店ベース)。
前年の売上を上回ったのは西松屋チェーンとワークマンの2社のみで、西松屋チェーンが21.3%増、ワークマンが17.7%増。西松屋チェーンは、紙おむつやウェットナップなど消耗品の需要が増加したほか、子ども玩具など室内で使用する商品の売れ行きが好調だった。ワークマンでは、例年よりも気温が高かったことで、ショートソックスや長袖のTシャツ、サマーカーゴパンツのほか、アウトドア・スポーツ向けのクライミングパンツ、シェルジャケット、アスレシューズの人気が高まり、売上に貢献した。
4月は政府が7都府県で緊急事態宣言を発令し、他の県でも独自に宣言が出されたことから、ほとんどの企業が臨時休業などの対応をとっている。ウイルスの終息目処が立っていないことから、帝国データバンクは今後前年同月の実績の減少幅がさらに大きくなると分析している。
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