日本を代表するコンパクトカーの両雄、トヨタヤリスとホンダフィットの熾烈な販売競争が始まった。
ヤリスが2019年12月20日発表、2020年2月10日発売、フィットが2020年2月13日発表、2月14日発売とほぼ同時期に登場している。
さて、両車の発売から約1ヵ月が経とうとしている3月上旬現在、どちらのクルマの出足が好調だったのか?
流通ジャーナリストの遠藤徹氏が、ヤリスとフィットの販売現場を回り、どちらが売れているのか、徹底取材したので報告しよう。
文/遠藤徹
写真/遠藤徹 ベストカー編集部 ベストカーWEB編集部
【画像ギャラリー】新型フィットとヤリスの違いはここにある詳細写真
2020年2月の新車販売台数ではヤリスが3491台、フィットが8221台とフィットが圧倒!
発表はヤリスが2019年12月20日で発売は2020年2月10日。これに対してフィットは発表が2020年2月13日、発売が2月14日でヤリスの方が多少先行した。
先行予約の開始はヤリスが2019年11月上旬、フィットは2019年12月中旬で実質的な発売立ち上がりはヤリスの方が1ヵ月強先行した。
月販目標台数はヤリスが8000台、フィットが1万台だが、3月上旬現在の推定受注累計はヤリスが3万台、フィットが2万5000台と5000台程度ヤリスが僅差でリードしている。
いっぽう、自販連が発表した新型ヤリスとフィットの2020年2月の登録台数は、フィットが8221台、ヤリスが3491台。
フィットがヤリスの約2.4倍売れたということになり、出足はフィットの勝ちとなるが、私が取材した販売現場の状況では五分五分といった印象がある。
勝負は決算期の3月以降、さらに販社が1つのチャンネルに統合され、全系列店統合となる2020年5月以降が天王山となるだろう。
納期に関しても2020年3月上旬現在でヤリス(ガソリンは約1ヵ月)、フィットともに3ヵ月待ちの6月上旬であり、同程度となっている。
お互いの陣営はライバルをどう見ているのだろうか?
トヨタはヴィッツの名称をグローバルで使われている車名、ヤリスを採用した。新開発のTNGAを採用し、パワーユニットも1.5L、NAのガソリン車と、同ハイブリッドも新たに開発し、1.5Lハイブリッド車は同クラス最高の低燃費、WLTCモード36.0km/Lを実現した。
ちなみに1Lエンジン搭載車が20.2km/L、新開発の1.5Lエンジン車のXとZは21.6km/L(CVT)。しかもヤリスはガソリン車にあえて、アイドリングストップ車を設定していない。
ホンダとトヨタいずれも低燃費を積極的にアピールしておらず、まるで低燃費競争の”冷戦”のようだが、実際の販売現場、ヤリスの営業マンは「ヤリスの燃費は36.0km/Lでフィットを6km/L以上も圧倒しています。もう低燃費では勝負になりません」と積極的に低燃費をアピールする。
一方、フィットの営業マンもヤリス「2モーターの走りのよさ、走りの楽しさは断然こちらの方が上。室内の広さ、視界のよさもヤリスはフィットの敵ではありません」と火花を散らす。
ヤリスの受注構成比は約50%がハイブリッド、残りの40%が1.5Lガソリンで、1Lガソリンが10%となっている。
グレード別だと最上級のZが最も多く、シリーズ全体の50%、次いで中間のGが40%、ベーシックのXは10%となっている。
ボディカラーはスーパーホワイトII、ホワイトパールクリスタルシャイン、シルバーメタリック、ブラックに集中、テーマカラーのセシュアルレッドマイカは10%程度と少ない。
一方、フィットは5つのグレードをラインナップ。販売構成比を見ると、グレードの内訳は最量販車種のホームが46%で最も多く、次いでベーシックが20%(法人やレンタカー需要も多い)、豪華で上質な装備を採用するリュクスは15%、クロスオーバーSUVテイストのクロスターは14%、2トーンカラーのアクティブなネスは6%となっている。
エンジンは初期受注とあってか、e:HEV(1.5Lハイブリッド)が72%と多く、ガソリンNAエンジンは28%だ。
1.5Lハイブリッドは従来の1モーター2クラッチから2モーター方式を採用したことで、従来の半分の受注構成比から70%以上に引き上げている。
ボディカラーはプレミアムサンライトホワイトパールを軸にプラチナホワイトパール、ルナンシルバーメタリック、クリスタルブラックパールが人気色となっている。
販売現場への取材でわかってきたのは、ヤリスが男性好みのスタイリッシュなエクステリアデザインなのに対して、フィットは財布を握っている奥さんや女性ユーザーからの評判が高いことにある。
燃費の良さではヤリスに軍配が上がるが、フィットは室内の広さで分があるといえる。一見、ガチンコのライバル車に見えるが、蓋を開けてみると、ヤリスは前席重視のパッケージングと低燃費がウリとユーザーは見極めているという。
一方のフィットはインテリアショップのようにボディカラーやインテリアカラー、グレードを選べ、後席の広さをポイントにファミリー層が積極的に来店しているという。
2020年5月以降、全国のトヨタディーラーが統合され全系列店舗に
販売戦略や購入条件はどうか? ヤリスは特段の販売政策を設けていない。しかしながら2020年5月から、これまでのネッツ店専売から全国規模でトヨタ全系列店併売に移行するので「今のうちに可能な限り多くの販売台数を稼いでおきたいという思惑がある。
「ニューモデルにしては滑り出しから値引きを拡大させ、残価設定クレジットの金利を引き下げる扱い店が多くなっている」(首都圏ネッツ店)という状況にある。
ナビ、ETC付きの場合だと、車両本体から従来5万円を15万円引き、残価設定クレジットの実質年利は4%台から2.9%に引き下げたりしている。
一方、フィットは昨年の先行予約の立ち上がり時は車両本体からの値引きゼロを強調していたが、正式発売後は5万円引きを初回交渉の提示額としている。
残価設定クレジットの実質金利については2020年3月末までの決算セール期間中は1.9%と通常の3.5%を1.6ポイント引き下げている。
今後の展開はどのような状況が予想されるのか? 販売実績ではヤリスがネッツ店専売である4月末までの期間はフィットがリードするが、トヨタ全系列店併売に移行する5月以降になると、3倍以上のセールスパワーになるのでヤリスに軍配が上がる可能性が強い。

証言:首都圏ネッツ店営業担当者
「新型フィットと新型ヤリスはほぼ同じ時期の発売で、同クラスの量販戦略モデルなので直接対抗する強力ライバル車と捉えています。
ただ、滑り出しはヤリスの場合、下取り車はヴィッツやアクアなどの自銘柄が圧倒的に多いですね。
競合するケースは少なく、これからだと思います。新型フィットはシンプルな飽きのこないデザインで安定的に売れる印象があります」。
ヤリスよりヴィッツが優れているのは後席を中心とした室内の広さだ。走りや36.0km/Lという低燃費、クオリティではヤリスに軍配が上がる。安全対策はほぼ互角だろう。今後は販売力でヤリスがリードし続けるに違いない。
証言:首都圏ホンダカーズ営業マン
「新型ヤリスは2020年5月からトヨタ全系列店扱いになるので、セールスパワーで販売は引き離されるだろう。
2020年4月いっぱいは商品力でフィットがリードすると予想している。フィットがヤリスより優れているのはシンプルで飽きのこないスタイリング、室内の広さ、運転のし易さ、使い勝手の良さなどだ。
ヤリスは同クラスの低燃費、異次元の走りなどを強調しているがそれほどでもないと捉えています。
燃費はガソリンタンクはフィットが40Lなのに対してヤリスは35Lと小さいので、満タンからの走行距離はフィットの方がずっと長く走れる良さがあります。
いずれにしても、N-BOXのような大ヒット車になりそうなので期待しています」。
※値引き情報は時期、地域によって変動しますので参考程度にお考え下さい。
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March 10, 2020 at 11:00AM
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