厚生労働省の麻薬取締部が2016年から19年にかけ、大麻取締法違反（栽培）の疑いで立件した100人超の容疑者のほぼ全員が、大麻の水耕栽培キットや肥料、成長促進用の特殊ライトなどの器具を一般的な園芸用品と称して販売する業者から購入していたことが11日、捜査関係者への取材で分かった。
麻薬取締部は違法栽培のほう助容疑に当たる可能性もあるとみて、各地の警察と連携し取り締まりを強化している。
栽培器具の販売業者は全国に10前後営業しているとみられる。麻薬取締部は違法栽培を支える温床になっているとみて、情報収集を進めている。
麻薬取締部は16年から大麻事件の捜査を強化。19年中までに無許可栽培容疑で送検された容疑者のほぼ全員が「栽培器具を業者から購入した」と供述したり、業者から器具を買っていたことが裏付けられたりした。業者から20回以上も器具を購入し、常連客となっていた者もいたという。
近畿厚生局麻薬取締部と兵庫県警は昨年11月、同法違反（栽培）のほう助容疑で神戸市の園芸器具販売会社の社長らを逮捕。店舗から大麻栽培器具など約2500点を押収した。栽培器具は大麻が解禁されているオランダやカナダから輸入していたとみられる。
捜査関係者は「こうした業者はホームページに大麻という文字を使わずに、ネットや口コミを通じて、希望者に器具を販売している。極めて悪質で、早急な対策が求められる」と指摘した。
〔共同〕
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